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資産設計・資産運用・リスクヘッジ

老後資産、運用で長生き

2020.05.19
老後資産、運用で長生き
  ≪5/16日経・M&Iより≫

配当目的で株・ETFにも分散

総務省の家計調査では60歳以上の世帯の貯蓄額は平均2300万円。平均値は極端に貯蓄が多い世帯に引きずられる傾向があるので、貯蓄がある世帯の中央値をみると約1500万円。金融庁が老後資金不足の試算例として示した2000万円を下回る。

そこで、ニッセイ基礎研究所主任研究員高岡和佳子氏に 65歳時点で1500万円の資産がある例で試算してもらった。全額を預貯金にして年約80万円ずつ取り崩すと、84歳でゼロになる。一方、半分の750万円を主要国の株式と債券に分散投資するとどうなるか。

将来は分からないので過去の値動きをあてはめて計算すると、先進国の低成長が続いた2000〜19年度の実績で試算した運用例(1)は88歳までゼロにならなかった。バブル景気を含む1985年以降をもとにした運用例(2)では93歳まで資産がもった。主要国の株式や債券の指数に連動する投資信託なら低コスト分散投資が可能だ。

ファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦氏は「豊かな老後を預貯金と債券だけで実現するのは難しい」と話す。高齢者ならではの運用先として提案するのが、配当金を目的にした個別株式や上場投資信託(ETF)などだ。

東証1部平均配当利回りは足元で約2%。「配当利回りが3%以上の企業は少なくない。資産の2〜3割を配当時期が違う株やETFにも分散投資してはどうか」と深野氏は話す。個別株なら財務基盤が安定している企業を長期保有するのが選択肢になる。

少額投資非課税制度(NISA)の活用も考えたい。年間120万円まで、最大600万円までの投資で得た利益が最長5年間非課税になる一般NISAは、まとまった資金があるシニア世代に向くという見方もある。一般NISAの口座数は19年9月末時点で約1200万で、このうち5割強が60歳代以上だった。

株や投信の運用益は通常20%ほどの税金がかかるが、NISA口座ではゼロとなる。手取りを少しでも確保したいシニアにとって非課税の恩恵は大きい。ただし資産運用では価格変動が付きもの。自分がどの程度の値下がりまでなら耐えられるかをよく考えることが欠かせない。

<ポイント>個人向け国債も選択肢

金融資産を現金のまま保有していると物価が上昇したときに資産価値は目減りする。同じお金で買えるモノの量が減るからだ。定期収入が大きく増えることが期待できないシニア層は物価上昇への備えが大切と多くの専門家は助言する。

注目されているのが期間10年の変動金利型個人向け国債。物価が上がれば通常は金利も上がる。「変動10年」は10年物国債の金利が上がれば利率が上昇する仕組み。最低利率0.05%が保証される。ただNISAで買えないことなど注意が必要だ。

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