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マーケット動向・最新の注目ニュース

企業も個人も意識変革、新たな価値を

2020.05.01
企業も個人も意識変革、新たな価値を
 ≪4/30日経(SDGsから考える未来Ⅱ)≫

第4次産業革命
環境問題解決に商機

持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け市民一人ひとりや企業は何ができるのか。ノーベル化学賞の受賞者で産業技術総合研究所ゼロエミッション国際共同研究センター長を務める吉野彰氏に尋ねた。

――SDGsには17の目標あり、分かりにくい面もあります。どのように捉えていますか?

「2030年に理想的な社会の実現をめざすゴールであると同時に、入り口を示している。17の入り口と道筋があり、それぞれが絡み合いながら持続可能な社会をめざしていると考えればよい」

「17の目標は大きく3つに分けられる。ひとつが『産業と技術革新の基盤をつくろう』のようにイノベーションや技術革新に関連する目標。『飢餓をゼロに』『エネルギーを皆に そしてクリーンに』『気候変動に具体的な対策を』なども、達成には技術革新が欠かせない」



「2つめは、個人の意識の変革を通じて社会の新しい価値観をめざす目標だ。『つくる責任、つかう責任』のほか『海の豊かさを守ろう』『陸の豊かさも守ろう』などが該当する。3つめが『質の高い教育をみんなに』など社会システムに関わり、解決には政治が重要な役割を果たす課題だ」

――ノーベル賞を受賞したリチウムイオン電池は電気自動車に積まれ、二酸化炭素(CO2)の排出を減らして地球環境保全に貢献しています。最初から考えていたのですか?

「当初 リチウムイオン電池はノート型パソコンや携帯電話などの電源としてモバイル社会に貢献する技術と考えていた。電気自動車にリチウムイオン電池が搭載され始めたころも環境との関連を深くは考えていなかった」

「転機になったのが14年ごろ、自動車産業の将来を予測した、ある民間研究所の報告書を読んだことだ。自動車は単なる移動手段ではなくなり、IT(情報技術)によるネットワーク化やシェアリングが進むと予想していた。『CASE(つながる・自動化・シェアリング・電動化)』の考え方を先取りしていた」


「CASE時代の自動車はこれまでと違った使われ方をする。リチウムイオン電池も従来の延長線上で単にコストを安くするのではなく、全く違う特性が求められるようになる。そこで環境問題との関わりを深く考えるようになった」

IoTやAI活用、革新テンポ速める

――同じようなパラダイムシフト(構造転換)は、他の人や分野でも起きますか?

「地球環境問題を人間の良心に頼って解決するのは無理がある。環境に優しい技術や製品はたくさんあるが、『高くて不便でも環境に優しいから我慢しましょう』では誰も使ってくれない。普及の障害になっている経済性や利便性の問題を取り除くのが技術革新の役割だ」

「いま世界では第4次産業革命が起きている。その革命とは、技術革新によって環境問題を解決することではないか」

「第1次、第2次産業革命では工業が発展し、モノの革命を通じて便利な社会を築いた。第3次産業革命ではITが進展し、モノから情報の革命に変わっていった」



「自動化やシェアリングで自動車の革新が起きたように、ITや人工知能(AI)、あらゆるものがネットにつながるIoTなどの新しい概念が入れば、他の分野でもパラダイムシフトは無理なことではない。新しい技術で環境問題を解決する産業革命が起きる。この革命が個人の意識を変え、企業にとってビジネスチャンスになる」

――具体例を挙げられますか?

「例えばフードロス(食品廃棄)の問題は流通や外食産業、家庭などで食べきれる以上の食料が提供されているのが原因だ。IoTやAIで必要な分だけ提供すれば、フードロスは間違いなく減らせ、飢餓をなくせる」

「第4次産業革命により、いまは不可能だと思われていることが可能になり、いとも簡単に実現できるようになる。現時点では想像がつかないことが起きるともいえる。技術革新のテンポは速まっているので、過去数十年で起きたことが次の10年で起きる」

――産総研のゼロエミッション国際共同研究センター長に就任しました。何を目指しますか?

「センターでは水素の製造・貯蔵や人工光合成、エネルギーデバイス、CO2の分離・活用、蓄電池などの研究に取り組む。日本だけで解決できる問題ではなく、欧米などと協力して国際共同研究センターの名にふさわしい組織にする。オープンイノベーションの拠点にしたい」


よしの・あきら 1972年京大院修了、旭化成入社。リチウムイオン電池の基本概念を発明し、2017年同社名誉フェロー。19年ノーベル化学賞受賞。名城大などで教える傍ら20年1月から産業技術総合研究所ゼロエミッション国際共同研究センター長。

気づきを実践に移す

吉野氏の話で印象的だったのが、ノーベル賞を受けたリチウムイオン電池の研究が当初は環境保全に直接結びつくと思っていなかったことだ。電池が大容量化し電気自動車に積まれた後になってから、深く考えるようになったという。

同じことは多くの個人や企業でも起こりうるのではないか。今は環境保全とのつながりが見えなくても、何かが契機になって関連に気づき、実際に貢献する。将来のビジョンや使命感をもって技術開発や制度設計に取り組んでいるなら、なおさらチャンスはある。

重要なのは気づきを実践に移す行動力。吉野氏は14年頃、自動車産業の将来像を示した日経BP未来研究所(当時)の報告書を読み、リチウムイオン電池の用途が変わると直観。報告をまとめた担当者に直接会いに行き、議論を深めたという。

買い物でマイバッグを使ったり環境に優しい製品を選んだりするなど、環境保全へ個人の意識は変わりつつある。企業でも必要なエネルギーを再生可能エネルギーで賄うなどの動きが広がってきた。こうした目に見える取り組みに留まらず、予期せぬところにもSDGs達成に貢献するヒントは眠っている。

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