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マーケット動向・最新の注目ニュース

良識ある資本主義

2020.04.30
良識ある資本主義
Gerd AltmannによるPixabayからの画像  

 ≪4/30日経(SDGsから考える未来)≫



問われる企業の持続可能性 
利害関係者に配慮/共感できる事業を

資本主義が難局に直面している。世界で猛威を振るう新型コロナウイルスが突きつけたのは、個々の企業における「持続可能性(サステナビリティー)」の問題だ。株主利益ばかりを追い求める先に、その答えはない。将来に渡って、選ばれる存在の企業になるにはどうあるべきか。多様なステークホルダー(利害関係者)への配慮とバランスのなかで自らの価値を見つめ、努力を重ねる経営がかつてなく必要になっている。

英蘭日用品大手ユニリーバが、新型コロナの問題でとった対応が注目を集めている。取引先の資金繰りを助けるために支払期日の延長や収入補償を打ち出した。合わせて、世界の医療機関などに1億ユーロ(約120億円)相当の衛生関連の製品などの寄付を決めた。

ユニリーバは「持続可能性」を強く意識した経営を貫いてきた企業だ。今回の施策もまさにそうだ。取引先や社会など広くステークホルダーと共存できなければ、自らの事業を維持して、発展させることもできないとの思いが根底にある。


株主第一見直し迫られる

2015年、国連は「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げた。地球温暖化を止める、生産と消費のバランスを取るといった17のゴールで、未来のかたちを示したものだ。そのなかには健康と福祉の項目もあり、感染症への対処も目標として盛り込まれている。

だれもが豊かで公正な生活を送れる世界を目指すのがSDGsだ。この共有意識を企業の中で育むことが、自らの持続可能性を高める。元ユニリーバ最高経営責任者(CEO)のポール・ポルマン氏は「良識的な資本主義」の必要性を海外メディアに語っている。

広がる格差や社会の分断、地球温暖化の問題に企業自身が真剣に向き合わなければ、自らの事業基盤そのものを崩しかねない。株主利益の最大化を第一としてきた従来の資本主義は「再定義」を迫られている。

19年8月、米経営者団体のビジネス・ラウンドテーブルが大きな軌道修正を宣言したのが象徴といえる。従来の株主第一主義を見直し、顧客や従業員、取引先、地域社会といった利害関係者に広く配慮した経営で、長期に企業価値を高めると宣言した。さらに今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)の年次総会でも、「ステークホルダー資本主義」が議論の中心になった。

そしていま、世界は新型コロナの問題に直面している。経済活動が急激に冷え込んでしまう危機だ。地球や地域社会とともに生きていく企業にとって、持続可能性がこれほど重く問われるときはない。

米小売大手のウォルマートは新型コロナに対応して、特別賞与や臨時の雇用増に踏み出した。一方で、米ボーイングのように多額の自社株買いや配当を繰り返して株高を突き詰めた企業は、逆に苦しくなっている。

未来図を考え具体的に行動



日本では、様々なステークホルダーを広く意識した経営の考え方が脈々と流れてきた。日本の資本主義の父、渋沢栄一が掲げた「経済道徳合一」がまさにそれだろう。

企業の目的は利益の追求にある。ただしその根底には道徳が必要であって、国もしくは人々の繁栄に対して責任を持たなければならない、という意味だ。

世界が目指すSDGsの考え方は本来、日本企業と親和性が高いといっていい。4月から、伊藤忠商事が企業理念として改めて掲げた、近江商人の「三方よし」の考え方もこれに重なる。

だからといって 日本企業が現状のままでいいということではない。大前提である利益の水準が低迷したままで 日本の資本市場は長期停滞から抜け出せていない。

日本企業に、より必要なのは成長をもたらす機会としてSDGsを生かす姿勢だろう。いまから10年後には、ミレニアル世代が経済や社会の中核になる。そのとき、自分たちが選ばれる企業であるか。未来図を考え、そこから逆算し、いま取るべき戦略を定めて具体的な行動に移すことだ。


海外では児童労働の問題で不買運動が起き、環境によくない製品やサービスへの視線は厳しくなっている。共感できる事業でなければ優れた人材は集められないだろう。

例えば環境対応では、コニカミノルタが調達先も含めて温暖化ガスの排出削減に取り組むなど、具体的な動きが確実に増えている。ただ日本全体では、低炭素・脱炭素社会へ向けた足取りは鈍いといわざるをえない。

米欧の先端企業はずっと先をいく。米マイクロソフトは30年を目標に、二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するだけでなく、除去することで「カーボンネガティブ」にすると発表した。CO2除去の新技術の開発に投資する新たな基金の設立を決めた。

欧州では 環境にやさしい製品やサービスかどうかを色分けする分類体系(タクソノミー)づくりが進む。これにより 企業の競争条件が劇的に変わる可能性がある。

こうした動きを後押しするのがマネーの動きだ。投資する際の判断に、ESG(環境・社会・企業統治)を重視する資金は膨らむ一方だ。18年に世界で3400兆円規模となり、2年前と比べ3割増えた。年金や保険会社など長期資金からの要請が背景に強くある。


米資産運用最大手ブラックロックは1月、ESGを軸にした運用の強化を表明した。気候変動リスクについて投資先企業が情報開示を怠れば、株主として反対票すると強調、石炭関連会社への投資を減らすという。

資本主義の仕組みは、過去何度も試練に直面した。そのたびに必ず乗り越えてきたのは、自らを修正する力を持っていたからだろう。

その担い手がそれぞれの企業だ。持続可能な姿は、未来へ向けて変革を続ける努力の先にあるものだろう。従来にない発想やイノベーションに挑みつつ、地球や社会の要請に良識を持って応えていく企業に価値があり、繁栄が待っている。

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