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マーケット動向・最新の注目ニュース

中堅上場企業・手元資金増加ランキング

2020.04.28
中堅上場企業・手元資金増加ランキング
 Pete LinforthによるPixabayからの画像 

  ≪4/28日経NEXT1000≫

AI・バイオ 積極投資




※ネットキャッシュ:正味手元資金
調査の概要:直近決算期の売上高が100億円以下の上場企業965社が対象(金融、決算期変更、TOKYO PRO Market上場企業除く)2019年2月期〜20年1月期を直近とし、3年前と比べネットキャッシュの増加額が多い順にランキング。ネットキャッシュがマイナスの企業は除く。データは4/8時点

コロナワクチンを研究

2位アンジェス

政府は全都道府県で外出自粛などを求める緊急事態宣言を出した。企業活動や消費者の生活が元に戻るには感染拡大の収束に加え、ワクチンや治療薬の開発がカギを握る。大阪大学発バイオ企業のアンジェスはタカラバイオや阪大などと協力して新型コロナのワクチン開発に取り組む。山田英社長は「事態の重大さと当社の技術が役立つため開発を決めた。スタートアップのスピード感を前面に出したい」と話す。

開発するのは「DNAワクチン」。新型コロナの遺伝情報の一部を体内に送り込み、ウイルスの情報を免疫に教え、本物のウイルスが体内に侵入した場合に免疫が素早く攻撃する。ウイルスを使わず遺伝情報だけを活用するため、培養などの手間と時間を短縮できる。動物実験用のワクチン候補は20日で完成させた。

アンジェスは1999年の設立で国内バイオベンチャーの草分け的存在だ。肝細胞増殖因子(HGF)というたんぱく質に、血管の新生を促す機能があることを阪大医学部の森下竜一教授らが発見した。この研究成果を元にHGFの遺伝子を患者の体内に注射し、病気を治す「遺伝子治療薬」の開発を進めてきた。今回のワクチンでも遺伝情報を送り込む技術でHGFと同じ手法を使う。

2002年に東証マザーズに上場。当初は新興バイオ企業の成功例と目されたが、苦難の道が待っていた。08年に動脈硬化で血管がつまった足に新しい血管をつくる「コラテジェン」の製造販売承認を申請した。国内に前例のない画期的な新薬のため、「ガイドラインもなく、承認の道筋が見えなかった」(山田社長)。



14年に転機が訪れる。有効な治療法が無い病気の治療薬を条件付きで早期承認する制度が設けられ、コラテジェンは製品化に向けて前進した。19年3月に国内初の遺伝子治療薬の販売承認が下りたが、最初の申請から10年以上を要した。

バイオ企業は一般的に経営が難しいとされる。製品化まで時間がかかり 先行投資の期間が長いためだ。アンジェスの業績は上場来赤字が続き、19年12月期の連結売上高は3億2600万円。営業損益は32億円の赤字。田辺三菱製薬が販売するコラテジェンの売り上げが貢献し始めたが、本格的な収益改善には患者数の多い米国での販売開始が必要との見方が強い。

毎年20億〜40億円もの 研究開発費は市場からの調達でまかなう。「薬が広く売れるまでは借り入れの方がリスクが高い」(山田社長)。 有望な新薬候補を売りに 新株予約権の発行などで調達してきた



厚めにした手元資金は、研究開発と 収益源を増やすための提携に積極的に投じる。自社の開発は米国でコラテジェンの臨床試験(治験)や、椎間板が炎症を起こす腰痛の治療薬の治験を進める。提携では6月にゲノム編集技術を持つ米国のバイオ企業に追加出資を計画。将来の医薬品開発に生かす技術を取り込む。

今期の業績予想は出していないが、新型コロナのワクチン開発も研究開発費が膨らむ要因になる。現在はマウスやサルで試験中で、人での治験開始を前倒ししたい考えだ。山田社長は「試験結果によるが、21年までに医療現場に届けたい」と話す。ワクチンの業績への貢献はまだ先だが、社会に与える影響は大きい。


6位 神戸天然物化学 
  医薬品原料などの受託研究

神戸天然物化学は医薬品や化粧品、有機ELの原料となる有機化合物の開発・生産を手掛ける。製薬会社や素材メーカーなどから年数百件の研究を受託する。顧客のニーズを把握し、少量のサンプルを素早く提供し、試作や最終的な量産まで一連の提案ができるのが強みだ。経営の効率化やコスト削減のために先端分野の技術開発を外部に委託したい企業の需要を取り込む。

2018年3月に東証マザーズ市場に上場し37億円を調達した。積み上がった現預金は「医薬系の開発・生産能力を強化し、資材などに積極投資する」(同社)。日本医療研究開発機構(AMED)と連携した創薬技術の研究も進めている。受託事業の拡大で21年3月期の単独売上高は77億円と20年3月期見通しから2割増を目指す。

8位 ホウライ 
  酪農から不動産賃貸まで

会社設立は1928年。千本松牧場(栃木県那須塩原市)での酪農事業を中心にオフィス賃貸やゴルフ場運営、保険代理店などを手掛ける。2019年2月に築50年近い東京・銀座のビルを売却し、一時的に手元資金が厚くなった。この資金を元に東京都目黒区の新築の賃貸住宅を取得するほか、不採算のゴルフ事業の立て直しを進める。

新型コロナウイルスの感染拡大は主力の牧場事業に影響が出てきた。乳製品の製造を続けているが観光施設は当面、休止している。緊急事態宣言前に発表した20年9月期の単独税引き利益予想は前期比17.5%減の2億5000万円。利益率の高い賃貸向け不動産への買い替えを進め、外出自粛が長引いても安定した収益を確保できる基盤の構築を急ぐ。

9位 エムアップホールディングス 
   ファンクラブサイト制作

エムアップホールディングスは、歌手の「コブクロ」や韓国のアイドルグループ「TWICE」など300人強の芸能人のファンクラブサイトを制作する。サイトに登録したファンは月額数百円を支払い、アーティストの取り分などを除いた額が同社の収入となる。

前払いで制作費を受け取り、その範囲で開発するため無借金で経営している。2018年9月には、同業他社のEMTG(東京・渋谷)を株式交換によって買収。同社が持っていた現金同等物39億円を連結しネットキャッシュが増加した。

コロナ禍でもファンクラブから抜ける人は「ほとんどいない」(同社)。コンサートが減った分、ファンサイト内で限定ライブや仮想現実(VR)を使った映像コンテンツを提供している。

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