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マーケット動向・最新の注目ニュース

ESG、投資家にアピール

2020.02.18
ESG、投資家にアピール
RRiceさんによる写真ACからの写真  

   ≪2/18日本経済新聞より≫
統合報告書の開示500社超 
長期視点、重要性増す 

企業がESG(環境・社会・企業統治)など非財務情報の開示を拡大している。2019年度はソニーや日本製鉄、アルプスアルパインなどが財務と非財務の両方を網羅した「統合報告書」を新たに発行し、発行企業数は500社を超えた。投資家は短期の収益力だけでなく、持続性も加味した総合力で企業を選別するようになった。非財務の開示が広がれば、総合力に優れた企業に資金が向かう流れが強まる。 


企業の
情報開示を支援するエッジ・インターナショナル(東京・港)によると、統合報告書の発行企業数は19年末で513社(非上場企業なども含む)と18年末比2割増えた。10年ごろから発行が始まり上場企業では13%に広がってきた。

統合報告書の特徴は「対象を投資家中心にしている」(ソニー)点だ。ESG情報そのものは「CSR報告書」「サステナビリティーレポート」などですでに開示する企業が多い。統合報告書では財務と非財務を結合し、投資家に長期の収益力を判断してもらうようにする狙いがある。

各企業がそれぞれの競争力に重要な項目の開示を充実させている。ソニーは人事戦略を詳述した。社員の約90%に意識調査して延べ8万件のコメントを収集し、社員が参加意識を持って働けているかを指標化した。日本製鉄は「20年度で副産物の最終処分量26万トン以下」などESGの重要課題と目標を定め、統合報告書で列挙した。

投資家は売上高や利益だけでなく、社員の働き方や、事業の環境負荷などを投資情報として捉えるようになった。サプライチェーン(供給網)の管理や、会社ごとの特殊なリスクについての関心も高まっている。

アルプスアルパインはコンゴ民主共和国からの鉱物資源の調達について「武装勢力の資金源とならないようにする」と言及した。ヤマハ発動機は主要拠点が静岡県に集中し、南海トラフ地震による被害が危惧される。復旧対応や供給網の情報収集など事業継続計画策定の取り組みを説明した。

統合報告書では、事業目的と国連が定めた「持続可能な開発目標(SDGs)」を関連づけ、存在意義を強調する企業が多い。ブランド力やビジネスモデルなど収益力の基盤となる情報も開示している。「無形資産を評価する投資家への情報発信として非常に効果的」(日本総合研究所の黒田一賢氏)とされる。

もっとも、日本企業のほとんどの報告書は抽象的な表記にとどまる。独ソフトウエア大手のSAPは、社員の勤労意欲や帰属意識を指標化しただけでなく、営業利益に与える影響を分析し、開示している。非財務をどう定量化して財務情報とつなげるか課題も大きい。

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