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不動産と動産と金融商品

復活する「目利き」運用

2020.02.10
復活する「目利き」運用
≪2020年2月9日日本経済新聞より掲載≫




異例事態に機械頼み苦戦


「慌てて動く必要はない。肺炎問題は一時的なもの。混乱が長引けば金融や財政政策も出る」。三菱UFJ国際投信の小西一陽株式運用部長は最近の乱高下にも冷静だった。同社のアクティブ型運用の投資信託「日本株オープン'35'」は昨年末比で2%のプラスまで成績を戻している。

□   □

伝統的なアクティブ運用の優位が目立ち始めたのは2019年からだ。野村証券の村上昭博チーフクオンツストラテジストが国内外の日本株ファンドの運用成績をまとめたところ、18年は伝統的アクティブも、機械的な投資手法の「クオンツアクティブ」や「スマートベータ」も市場平均を下回る成績に終わった。だが 19年は「目利き」による運用が低迷を抜け出し20年も1月末でリードを保っている。

復活の最大の要因は投資先選びで「経営者の意思」を見極める重要性が増していることだ。米中貿易摩擦や最近の新型肺炎問題のように、前例が少なく先の読めないイベントに企業がどう対応するかは過去のデータからは読み解けない。

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統治改革の流れも企業との対話の重要性を高めている。M&A(合併・買収)の対象になりやすい企業に投資する「M&Aフォーカス・ファンド」を運用する三井住友DSアセットマネジメントの斉藤聖司シニア・ファンドマネージャーは「親子上場の解消などでは経営者の姿勢を知ることが不可欠」と話す。

このファンドでは18年6月のコーポレートガバナンスコード(企業統治指針)の改訂を受け、運用方針の一部を変更した。従来は資産価値などを基準とした割安株を投資対象にしていたが、企業グループ再編などは割安・割高とは違う論理が働く。方針変更の成果で J フロントリテイリングが昨年12月に完全子会社化を発表したパルコにも先回りして投資できた。

ある国内大手証券の投資家営業担当者には、海外から「物言う株主(アクティビスト)が買いそうな銘柄を教えてほしい」という問い合わせが相次いでいる。ESGに企業がどう向き合うかを見極めるには、人間の総合判断が欠かせない。企業の変化の予兆を探るマネーの流れが「人間優位」を後押しする。

金融危機以降 伝統的なアクティブ運用は「市場平均と大差ないのに手数料が高い」として解約の憂き目にあってきた。日本企業の「変化を買う」局面続けば、アクティブ運用への資金回帰に潮目が変わるかもしれない。

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