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マーケット動向・最新の注目ニュース

先行する米国のデジタル投資

2020.02.03
先行する米国のデジタル投資
PIRO4DによるPixabayからの画像  

  ≪2/2日本経済新聞より≫ 

民間研究費、米IT5社で日本超え 


日本企業が研究開発で他国企業に引き離されている。IT(情報技術)大手がけん引する米国企業が研究開発投資をここ5年で2割増やしたのに対し、日本は1割増にとどまった。日本勢の開発費は欧州や韓国のライバル企業に比べても見劣りする。日本企業も資金を積み増して新技術の開発に向かわなければ、デジタル時代の競争力を失いかねない。

人工知能(AI)を使う自動運転や、あらゆるモノがネットにつながるIOTのサービスは、製品の品質が競争力だった既存のビジネスモデルを崩した。特許やデータなどの無形資産をおさえる企業が市場を寡占する時代となり、将来への研究開発の重要性は一段と増している。

先行するのは米IT企業だ。米アマゾン・ドット・コムは2019年に約359億ドル(約3兆9千億円)の研究開発費を投じ、クラウドサービスやAIの開発で圧倒する。QUICK・ファクトセットがまとめた米国のアナリスト予想によると「GAFA」とマイクロソフトの5社合計の研究開発費は22年に1641億ドル(約17兆9千億円)と、18年の日本の民間部門の研究開発投資(16.5兆円)を超える。


米企業は研究開発の勢いでも日本を大きく上回る。国内総生産(GDP)統計による米国の民間部門の研究開発投資は18年までの5年間で23%増。伸び率で日本を9ポイントも引き離した。売上高に占める研究開発費の比率も18年度の米国は6.3%と、2.8%の日本の2倍以上。かつては日本が中期的な開発を重視するとされたが、今や逆の姿だ。

日本企業の問題はGAFAに離されることだけではない。同じ業種のライバルに比べても「リスクをとって新しい分野に開発投資する文化が乏しい」(第一生命経済研究所の熊野英生氏)こともある。

ソニーは「テクノロジーは多様な事業を貫き、力を与えるもの」(吉田憲一郎社長)とし、18年度は研究開発に4812億円を費やした。業績をけん引する半導体には前の期比16%増の1242億円を出したが、全社ベースの5年間の伸びは3%程度だ。サムスン電子は同期間に1.4倍の1.7兆円に増やし、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の宮本武郎氏は「ソニーは既存事業を伸ばす開発はしっかりしているが、新規事業の開発は不透明」と話す。

もちろん、投資額が多ければいいわけではない。多様な技術が求められる中で自前主義にこだわれば、開発のスピードを高められず、財務負担も重くなる。提携やスタートアップへの投資など、工夫が欠かせない。だが日本全体としてデジタル時代への投資が劣後しているようでは、国としての将来も危うくなる。


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