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マーケット動向・最新の注目ニュース

[75歳から」で増える選択肢

2019.10.21
[75歳から」で増える選択肢
haccyaさんによる写真ACからの写真 
年金の受給開始時期

8月末に公的年金の財政検証が厚生労働省から発表になりました。これは5年に一度実施され、公的年金の給付水準や財政状況が今後どうなりそうなのかを確認する、いわば「公的年金の健康診断」のようなものです。

報道の中には、現役男性の手取り収入に対する年金額の割合である所得代替率が約30年後に現在の61.7%から50.8%に低下するというデータをとらえて、年金は将来2割減になるといった記事もありましたが、これは正しい理解ではありません。下がるのは所得代替率であって、年金の実額はほぼ変わらないかケースによってはむしろ増える場合もあります。したがって、年金制度の先行きを過度に悲観する必要はないのですが、近い将来に年金を受給する立場になるシニア層が今回の財政検証で注目すべき点があります。基本的な試算に加えて実施した「オプション試算」です。

財政検証は公的年金制度を現状のまま変えない場合、経済成長や出生率などの変化によって制度の健全性がどのように変わるかを試算するのが基本です。一方、制度を変えた場合にどうなるのかを示すのがオプション試算です。今回は2つのオプションが示していますが、私が注目するのは長く働くことで年金保険料を払う期間を長くしたり、年金の受取開始時期の選択肢を広げたりするとどうなるかという試算です。

国民年金の加入期間は現在原則として60歳まで、厚生年金は70歳までです。これをそれぞれ65歳と75歳までにして、保険料の納付期間を延ばすという案です。年金の受け取り開始時期は、現在は最大70歳まで遅らせることができますが、75歳からでも受取を可能にしらどうかという案が示されました。これは年金が75歳からしかもらえないというわけではありません。受給開始時期の選択肢が広がるので、働き方に合わせてより自由度が増えるということです。

制度改正が実施され、75歳まで働いて受給を開始すると所得代替率はどうなるかの見通しが示されています。これはいくつかあり、最も標準的とされるケース3で所得代替率は111.9%になります。長く働くということは一人ひとりの年金受給額と年金財政に与える影響がそれほど大きいのです。

日本の人口は今後減少する見通しですから労働市場に参加してこなかった高齢者が働くようになることは方向性として間違っていないように思います。シニアにとっても年金の受け取り方の選択肢が広がるのは決して悪いことではなさそうです。それぞれの人生観や健康状態は異なりますから、自分が元気で働けるうちは働き、それから年金を受取開始時期を決めればいいのではないでしょうか。

定年後の貯蓄額

退職後の生活「セカンドライフ」にかかるお金を気にする人が増えています。日本生命保険がインターネット上で1万人強を対象に調査したところ、セカンドライフまでにためておきたい金額の平均は2888万円となりました。2018年の調査と比べ8万円増加しました。ニッセイ基礎研究所の井上智紀主任研究員によると「老後2000万円問題によって、自分の老後資金に警戒感を持つ人が増えた」と話します。老後への不安は世代を問わず、共通しています。20代以下のおよそ9割がセカンドライフへの準備が必要だと感じていました。


目標としている金額をためられているかどうかを聞いたところ、全世代の約2割が目標額の10%未満しか貯蓄できていないと回答しました。40、50代は約8割、60代では約6割が目標額を達成できていませんでした。
(出所:日本経済新聞)

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