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マーケット動向・最新の注目ニュース

がん免疫薬 効果予測精度高く 

2019.10.07
がん免疫薬 効果予測精度高く 
Belova59によるPixabayからの画像 

   ≪日経新聞より≫ 
血中物質で99%識別(慈恵医大… 
副作用・医療費を抑制

がん免疫薬は2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授らの研究から生まれた小野薬品工業の「オプジーボ」が代表格だ。国内では、米メルクが開発した「キイトルーダ」や中外製薬の「テセントリク」などが肺がんなどで使われている。

劇的に効く場合もあるが、全体でみると効果が出るのは2〜3割といわれる。一部の患者では 免疫細胞の働きが過度に高まり、正常な臓器や組織を攻撃し 重い発疹や肺炎などの副作用が出る。高額で薬代は年約1000万円にもなる。こうした負担を減らすため、事前に効果を予測して利用を絞り込める技術が求められている。

まずは肺がんで技術開発が進んでいる。オプジーボが15年に肺がんの一種で承認されるなど投与例が多いためだ。9月26〜28日に京都市で開催の日本癌学会では 効果予測技術の研究発表が相次いだ。

東京慈恵会医科大学の藤田雄助教や東京医科大学の落谷孝広教授は、がん細胞から出て血液中を流れる微粒子に注目した。約120人の肺がん患者で、微粒子の中などにあるマイクロRNA(リボ核酸)の種類と量を解析すると、オプジーボが効く人を99%の精度で識別できた。2〜3年後の臨床研究を目指す。

川崎医科大学の岡三喜男特任教授は75人の肺がん患者の血液を分析。がん細胞を倒すために体内で作られる2種類のたんぱく質(抗体)に目を付けた。




これを持つ人は17人中11人(65%)でオプジーボやキイトルーダが効いた。一方、持たない人で効いたのは58人中11人(19%)にとどまっており、効果の選別に利用できるとみている。企業と検査キットを開発中だ。肺がんや胃がんで臨床試験(治験)を実施し、2年後にも国への製造販売の申請を目指す。

名古屋大学の高橋雅英教授や榎本篤准教授、博士課程の学生の宮井雄基医師は3種の免疫薬、オプジーボとキイトルーダ、テセントリクのどれかを使った約90人の肺がん患者のがんを調べ、がんの周囲の細胞から目印となるたんぱく質を見つけた。これが少ない29人は免疫薬が効かなかった。今後は乳がんや肺がんでも臨床研究の実施を目指す。

現在、がん免疫薬を選ぶ際には遺伝子検査や、手術で取り出したがん細胞を解析して判断している。効く人を見落とすことがあり、精度に限界があると考えられている。川崎医科大などのように、血液中の抗体などの物質を目印にする研究が潮流になりつつある。

製薬各社は複数のがん免疫薬を併用する治療法をさまざまな種類のがんで普及させようと、多くの治験を進めている。適応範囲が広がるほど、無駄を減らす予測の重要性は増す。

がん免疫薬は急速に普及しており、年間売上高1000億円以上のものが誕生している。米調査会社のディシジョン・リソーシズ・グループによると、24年の世界市場規模は5兆円と17年の4倍に増える見込みだ。高齢化が進む日本では、薬価の引き下げが進んだとしても医療財政の大きな負担になる。

新技術を早期に普及させるには政府の支援が欠かせない。最適な選択法を探り、学会が治療ガイドラインに反映することも必要だろう。

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