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トランポリン相場に逆張りの芽

2019.08.15
トランポリン相場に逆張りの芽
Gerd AltmannによるPixabayからの画像 

閑散相場に逆張りの芽

「日本のトランポリンは修理必要だな」日本株ヘッジファンドの担当者は14日、こんなジョークを飛ばしていました。トランプ米大統領のツイート一つで上下する世界株式の「トランポリン相場」の中で、日本株は弾みがよくないからです。もっとも、株価を下支えする米景気に統計上の陰りはみえず、閑散相場は「逆張り」戦略を練る好機かもしれません。

この日の相場は、対中制裁関税「第4弾」の一部先送りが材料でした。日経平均株価は一時242円高まで反発したものの、同じ材料で前日に同500ドル超も上げた米ダウ工業株30種平均に比べると物足りません。

米国株のトランポリンが売り方(ショート)の買い戻しをバネにして大きく弾んだのに対し、お盆休みの日本株にはそのバネがありません。米中摩擦をめぐる久しぶりの明るいニュースにもかかわらず、第4弾の直撃を免れたクリスマス商戦への期待から任天堂が4%高になった程度で、物色に広がりがありませんでした。

企業の4〜6月期の決算がピークを過ぎたうえ、お盆期間とあって市場参加者は少ないです。東証1部の売買代金が2兆円を下回る閑散相場で、いつもなら頻繁に売買するヘッジファンドも「きょうはほとんど取引していない」と鳴りを潜めていました。

こうしたヘッジファンドだけでなく、中長期の年金マネーなども含めて、外国人投資家の手持ちの日本株はカラカラに枯れている状態です。

バンクオブアメリカ・メリルリンチによる8月2〜8日の世界ファンドマネジャー調査によると、日本株の比率が基準よりも多い「オーバーウエート」から基準よりも少ない「アンダーウエート」を差し引いた値はマイナス9%でした。前月に比べて5ポイント下がり、第2次安倍政権が発足した2012年12月以来の低水準に沈んでいます。

一方で「閑散に売りなし」との相場格言を裏付けるようなデータもあります。シティグループ証券の北岡智哉氏が算出する「日本株パニック指数」です。空売り比率や値下がり銘柄数、移動平均線との乖離(かいり)率などからはじき出すもので、市場の下げ警戒が強まるほど指数が上がります。




経験則ではパニック指数が1を超えると、その後25営業日で株価は上昇に向かうといいます。このため、下げ相場に買い向かう「逆張り」のタイミングの目安にもなります。13日時点の指数は0.7で、先週や、トランプ大統領の対中政策が先鋭化した5月と同じ水準です。北岡氏は「現状は少し高めで、目安としては株価の底といえる」と解説します。

足元の米景況感は底堅く、消費や賃金、物価などの統計は市場の事前予想を超えています。こうしたマクロ景気の趨勢を示す「サプライズ指数」は中国、日本でも改善傾向にあります。

米など景況改善傾向 支え

バンカメメリルの投資家調査では向こう1年間で米国が景気後退に陥るとの回答が34%と 約8年ぶりの高水準でした。「米中摩擦は来年秋の大統領選まで収束せず、米金利低下は景気後退の兆し」との悲観シナリオが広がりつつあります。

しかし、米景気は15年から16年にかけても腰折れが懸念されましたが、その後のトランプ政権の財政出動もあって持ち直し、株価は最高値を更新してきました。足元の予防的利下げが住宅市場を押し上げる期待もあります。弾まなくても底は抜けない日本株トランポリンは、逆張り好機のサインにも見えます。


ちなみに、米連邦準備理事会(FRB)の7月末の利下げにトランプ大統領が不満を表明し、市場は一段の利下げを織り込んでいます。米国金利の先行きをどうみたらよいでしょうか。

景気失速を防ぎ、ドル高を解消するために必要な利下げ幅を決めるカギは予想物価上昇率(期待インフレ率)です。期待インフレ率を財務省証券利回りの名目と実質の差でみると2018年5月の2.1%をピークに1.6%まで低下しました。期待インフレ率の低下は景気減速のシグナルです。

期待インフレ率が低下する中で利上げを続けた結果、実質ベースで見た政策金利が昨年10月にプラスに転じて景気にブレーキがかかりました。事実、昨年秋から景気の陰りを示す指標が増え始めました。米景気は最長記録を更新中だが、たそがれ時が近づいています。

過去70年の政策金利を振り返ると景気がピークを打った後、平均4カ月後に利下げを開始、下げ幅は平均3%です。

今回は利下げののりしろが少なく早めの利下げが必要でした。この点で今回の利下げの時期は正しいです。問題はどこまで利下げすれば減速に歯止めがかかるかです。政策金利の中央値は現在2.1%台で期待インフレ率は1.6%だから実質金利は0.5%台。0.25%の利下げを3回行えば実質金利がマイナスになり、景気が浮上する計算です。

実質金利がマイナスになればドル安による景気下支えも期待できそうです。利下げは今回を含めて4回、合計1%が適切でしょう。ゼロ金利再来を予想する向きもありますが、過剰な利下げは副作用を伴います。パウエル議長の継続的利下げへの消極的発言は行き過ぎた利下げの思惑を抑えるためです。

貿易戦争による下振れリスクにも手を打つ必要があります。経済協力開発機構(OECD)の試算では米中貿易戦争による米国経済への影響は最大1%です。今回 FRBは資産削減を停止し、保有有価証券の償還金の全額再投資を決めました。17年10月以来の資産削減で通貨供給量の伸びが急減したことも景気減速の原因です。

今後 FRBの資産を徐々に増やして通貨供給量が拡大すれば貿易戦争のデフレ効果を相殺できそうです。

世界景気の先行きには不安材料が少なくないですが、米国は適切な利下げとFRB資産の緩やかな拡大で史上最長景気を続けることができるのではないでしょうか。
(出所:日本経済新聞)

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