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世界基準の成長目標ESG

2019.08.13
世界基準の成長目標ESG
国連ホームページより

≪8/12日経トップ記事≫

ESG×収益力で欧米先行 
人材・投資呼び込む 
企業の持続性重視へ新指標 

持続的に高収益を上げられると評価できる企業には、欧米勢が多いことがわかった。ESG(環境・社会・企業統治)スコアと自己資本利益率(ROE)を使って評価したところ、上位100社のうち8割を欧米企業が占めた。環境や労働問題など社会の要請に鈍感な企業は顧客や人材、投資マネーを引き寄せられない。日本企業も両方の指標を引き上げる必要がある。





株式時価総額300億ドル(約3.2兆円)以上、自己資本比率20%以上の263社を対象に、資本効率を示すROEにESGスコアを乗じた「ROESG」を調べた。

ランキングの算出には伊藤邦雄・一橋大学特任教授の監修を得た。伊藤教授は「ROESG」の概念を提唱している。

企業評価では従来、ROEが重視されてきたが、自動車大手の排ガス不正問題などを受けて、社会に役立つ企業でなければ収益を保てないとの見方が一般的になってきた。投資家も収益力とESGの両立を求めるようになった。

上位30社では9割が欧米企業だった。米企業はROEが高く、欧州企業はESGのスコアが高い傾向はあるが、全般にどちらも高く、両立している企業が多い。

首位はデンマークの医薬大手ノボノルディスクの92ポイント。ROEが79%と高い一方、ESGスコアは上位30に入る1.17だった。収益力と持続力の両方に優れる。

同社は工場の消費電力の77%を再生エネルギーでまかなうほか、発展途上国の子供に無償でインスリンを提供する。社会と経済、環境すべてに配慮する「トリプルボトムライン経営」を1990年代に取り入れた。

5位のエヌビディアはサイバーセキュリティーを重要課題に掲げて委員会を設けるなどESGを重視し、スコアは米企業のなかで、同じIT(情報技術)大手のシスコシステムズに次ぐ2位の1.21だった。

アジアの企業で最も順位が高かったのは、日用品大手ユニリーバ系のヒンドゥスタン・ユニリーバで3位に入った。ROEが70%強と高い一方、ESGにも取り組み「責任ある成長は、消費者の期待や市場のトレンド変化に対応できる唯一のモデル」と強調している。

日本勢で順位が最も高いのは花王の56位。売り上げや人材採用に直結するとしてESGを重視する。18年7月には社長直轄のESG部門を立ち上げ、トップに米国人を起用した。リサイクルされない廃棄物量をゼロにするなどの目標を盛り込んだ2030年までのESGの長期戦略を策定し、国内外に発信している。

100位に入った日本勢は花王のほかNTTドコモ(89位)、KDDI(91位)、日本たばこ産業(JT、94位)の4社にとどまった。ROEの低さに加えESGの取り組みが遅れた面がある。対象企業のROESGの平均は欧州が18、北米が17、日本は9だった。

ESGの評価機関は公開情報からスコアを判断するケースが多い。日本企業は取り組んでいても開示への意識が低かった。取引先企業の労働問題や腐敗防止などの分野でスコアが低い。

収益力とESGの両立を重視する流れは、金融市場が後押ししている。ESG投資の規模は世界で3300兆円に上る。


ROESGの算出方法 

▼ROESGの算出方法 ESGスコアは、アラベスク、サステイナリティクス、FTSE、MSCI、ロベコのESG評価機関5社の2019年3月末時点の評価を用いた。各社の上位10%の企業を満点(1点)として10%ごとに0.1点ずつ減らし5社の点数を平均した。上位には最大3割のプレミアムを乗せ、最高点を1.3とした。QUICK・ファクトセットのデータからROEの3期平均を算出し、ESGスコアと掛け合わせた。

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