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郵政・かんぽ、不正の源流

2019.08.08
郵政・かんぽ、不正の源流
Gerd AltmannによるPixabayからの画像  

かんぽ、金融ビッグバンの潮目? 

 <日経新聞より引用>

(1)
郵便局 失った顧客目線 
     強い政治力で対応後手に 

かんぽ生命保険の不正が底なしの広がりを見せている。不適切な疑いのある契約は直近5年分だけで18万件。販売を担う日本郵便は営業の自粛を迫られた。一連の問題と対応の遅れは日本郵政グループのガバナンス(統治)の不全を露呈した。信頼回復の道は険しい。

「もう限度額いっぱいなのに本人は身に覚えがない」。東北のある郵便局長は関東から越してきた男性の保険加入の手続きを進めようとして驚いた。支社から申込時の資料を取り寄せると、筆跡が明らかに違う。財務局に届けようとすると「会社を売るのか」と止められもしたという。

「1年後に100万円を必ずもらえる」「通院の事実は隠しておいて」――。目先の契約を獲得するがために顧客をだまし、そそのかす。こうした事例が各地の郵便局で相次ぎ見つかっている。



「顧客本位を徹底できなかった」。かんぽ生命と日本郵便は7月10日の記者会見で初めて公に非を認めた。ただ責任の所在については「どちらがどうこうではない」などとの説明にとどまった。はっきりしたのは誰も郵便局の現場を掌握できていない実態だ。

持ち株会社の日本郵政は上場企業だが、議決権の6割を政府が握る。一方で業界団体の全国郵便局長会(全特)が与党とのパイプも通じてグループ各社の経営に影響力を持つ。永田町や霞が関では「郵政の経営陣は全特の顔色をうかがってばかり」とささやかれる。

先の参院選でも全特の威光は陰らなかった。郵便局の不祥事が問題になっていたにもかかわらず、組織内候補は自民党で比例最多の60万票を獲得した。前々回43万票、前回52万票から数も伸ばした。

7月30日、日本郵政の長門正貢社長は翌日の謝罪会見を前に与党の会合で頭を下げた。その際、不正の一因とされるノルマの見直しにクギを刺された。「郵便局員の給料が減ることがないように労使協議は慎重に」。ノルマの達成具合に応じてインセンティブ(報奨)が上がる報酬体系になっているからだ。手当は「渉外社員の中央値で年収の25%」(日本郵便の横山邦男社長)に達する。

内輪の論理が幅をきかせ、不適切販売問題への組織的対応は遅れた。当初、日本郵政の首脳は「かんぽ生命からは法令違反ではないという説明しか受けていない」と当惑していた。郵政の説明では、取締役会で一連の不正が議題に上ったのは7月下旬になってからだ。

監督官庁も後手に回り続けた。6月19日、総務省は日本郵便に保険販売に関する報告徴求命令を出す一方、日本郵政の取締役人事はあっさり認可している。経営を揺るがす重大事と認識していたようには見えない。

毎年、かんぽの法令違反を複数把握していた金融庁。18年からゆうちょ銀行をメガバンク同様の通年検査の対象としているが、かんぽ生命の扱いは旧来のままだ。郵政グループや行政の不作為の連鎖が郵便局の利用者の不利益を広げた感は否めない。

「人のためによかれと願う心を常に持てよ」。1871年、近代郵便を創業した前島密の言だ。かんぽの源流である簡易生命保険を郵便局が始めたのは1916年。簡単な手続きと安い掛け金で庶民の暮らしを支える制度だった。いつの間にか原点は見失われた。いったん崩れた顧客からの信頼を回復するのは簡単ではない。


(2)郵便局、合理化とは無縁 
     損益より営業目標を優先 

東北の40代の郵便局員は最近、医療保険に加入したいという60代の女性にかんぽ生命保険の商品を紹介した。「毎月の保険料は1万円以上ですが 100万円の死亡保障がついてきます」。女性は「そんなに高いならやめとくわ」と帰っていった。郵便局の窓口でよくあるやりとりだ。

日本郵政を通じて政府の間接出資を受けるかんぽ生命は民業圧迫を避けなければならず、新商品を出すのにも政府の認可がいる。医療保険は死亡保障との組み合わせでしか売れない。死亡保険金100万円あたり日額1500円の入院保険金という上限が決められている。手ごろな医療保険に入りたい人には見向きもされない。

かんぽが魅力的な商品を出すことは難しい。商品の制約で売りづらいのに重いノルマを課したことが不適切販売につながった面がある。



親会社の日本郵政の議決権比率が今の64%から50%以下に下がる時が規制緩和の目安だ。ただ、2005年成立の郵政民営化法が日本郵政に義務づけていたかんぽ生命とゆうちょ銀行の17年9月までの全株売却は12年の法改正で後退した。期限が消え、早期売却は努力義務になった。

この法改正ではそれまで郵便だけだった全国あまねく一律での提供を義務づけるユニバーサルサービスの対象事業に保険と貯金を加えた。全国の郵便局で金融2事業を展開する構図が固まった。

「黒字なのになぜ」郵便局長を20年以上務める50代男性は日本郵便から送られてきた人事評価に頭を抱えた。AからEまで5段階のうち下から2番目のDだった。

窓口での入出金や送金の手数料収入などが多く、局の収支は年数百万円の黒字を確保する。手紙やはがきなどの郵便事業の需要減少で赤字となる郵便局が多いなかでは健闘しているほうだ。それでも保険や年金口座の獲得件数が目標に届かず近隣の赤字局の局長よりも低い評価になった。

郵便局で評価を大きく左右するのは損益よりも営業目標の達成度合いだ。黒字の郵便局にもまんべんなく負荷がかかる。

赤字の郵便局を黒字の郵便局が支えるしくみは2万4千の郵便局網の維持のため。ユニバーサルサービス義務があるうえ、全国郵便局長会も組織が縮まないよう働きかける。

「かんぽ問題が郵便局削減の議論につながらないように」。不適切販売の問題が広がりをみせてもなお合理化をけん制する政治家の存在もある。郵便局のリストラはタブー視される。

民営化して12年近くたつのに民間企業なら当たり前の合理化ができない。金融機関が大がかりに店舗を減らす流れとは無縁だ。実際に郵便局数は民営化前からほぼ同水準で変わっていない。

政府は4月、日本郵政株の追加売却で持ち分を57%から民営化法が規定する下限の「3分の1超」に下げると発表した。消費増税前の9月が頃合いとの見方が多かったが、証券業界からは「減配になるかもしれない株を投資家に薦められない」との声が漏れる。

郵政株の6日終値は1035円だった。政府は東日本大震災の復興財源として1.2兆円の確保をめざすが、その目安の1130円台を大きく下回る。今回の不祥事は民営化のいっそうの遅れにつながる。


(3)細る郵政G収益、反転見通せず
     幹部去り人材育たず 

「業績予想の修正はしません」。7月31日、一連の不正問題を説明するため記者会見に臨んだかんぽ生命保険の植平光彦社長は言い切った。

「新契約は減るが、販売コストも減る」との説明を額面通りに受け取る向きは少ない。米S&Pグローバル・レーティングは6日、かんぽ生命の保険財務力と長期格付けの見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下げた。

「ビジネスモデルの持続可能性に問題がある」。7月、金融庁からゆうちょ銀行に通年検査の通知が届いた。ゆうちょ銀は「資金洗浄対策への対応不備」を指摘されると思っていたが、金融庁は経営戦略を問題視した。

長引く低金利で、日本郵政グループ全体で集めた資金を国債で安定運用する手法が通じにくくなった。その代わり、保険や投資信託などの販売で稼ごうとした。

しかし、過度な負荷がかかった郵便局の販売員が不適切な手法で金融商品を売る例が相次いで発覚。日本郵便の横山邦男社長は「(マイナス金利で)商品の魅力が低下したのに販売計画が従来通りだった」と説明する。



成長分野に経営資源を集中する改革は遅れている。07年の民営化以降、郵政グループの連結売上高は減少傾向にある。

日本郵便は郵便の土曜配達を休止し、その分の人手を収益の伸びが期待できる宅配事業に移す案を練っていた。総務省も秋の臨時国会で郵便法改正案を提出する準備をしていた。実現すれば、年600億円規模の収支改善が見込める。

仮に提出しても審議の難航は必至だ。「せっかく秋に照準を合わせていたのに」(総務省幹部)との声も出始めた。郵便事業は現状のままだと19年度以降、営業赤字が定着する見通しだ。



成長性に乏しい郵政グループは高い配当性向で魅力を高め、個人投資家に株を買ってもらう戦略を取ってきた。ゆうちょ銀は約70%、かんぽ生命は約36%といずれも業界平均を上回る。今のところ、収益の反転は見通せず、減配が現実味を帯びる。

成長を描けないのは、改革の担い手が不足していることに行き着く。前身である日本郵政公社の生田正治総裁以降、自ら望んだ形で郵政を去った社長は一人もいない。首脳退陣に連座して生え抜きの幹部候補も多くが去ったため、リーダーシップを発揮できる人材も育っていない。

ゆうちょ銀が株式や不動産などリスク運用を強化するために外部から招いた佐護勝紀副社長は既に去った。ゴールドマン・サックス証券出身の佐護氏が敷いた路線は続けているものの、運用成績はさえず戦略の見直しを始めている。

「郵政グループの経営陣は、自分のクビを左右する政治家や全国郵便局長会の方を向いて経営しがちだ。だから、グループ内の連携すら十分にできない」。民間出身の元幹部はこう振り返る。改革が遅れるほど経営体力はむしばまれていく。




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