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マーケット動向・最新の注目ニュース

日本のIT投資 不足深刻

2018.10.16
日本のIT投資 不足深刻
2025年、システム6割が老朽化

AIビッグデータ対応遅れ

 



「数十年前に作られたシステムの保守や管理に追われている」。都内で働くシステムエンジニア(SE)の嘆きが、日本企業のIT投資の弱さを象徴しています。

経産省によると日本企業のIT投資のうち 新規案件に回っているのは2割程度です。多くの企業は古いシステムを長く使い 43%の企業はIT関連の費用の内9割を保守に使います。システムの維持にお金をか新規投資に手が回りません。

更新一巡で鈍化



投資額も物足りません。調査会社のIDCジャパンの予測では、国内のIT市場は18年に約17兆円です。伸び率は前年比2.1%増で 17年の5.5%から鈍ります。主因は大手金融機関のシステム更新が拡大していますが、設備投資全体の伸びを大きく上回るわけではありません。

総務省の調査によると、米国はコンピューターや通信機器、ソフトウェアなど「ICT分野」への投資額が18年に5600億ドルと 日本のおよそ4倍もあります。米国は1994年の2.8倍になっており 11%増の日本は水をあけられました。

投資額の違いは 企業がIT投資を成長に必要な投資と位置づけるかどうかを映します。電子情報技術産業協会(JEITA)による17年の調査では 日本の企業で製品やサービス開発のためにIT投資を増やすと答えたのは24%にとどまりました。米国は過去の調査で4割を超えていました。

AIやビッグデータ、最先端のシステムは新しいビジネスに必要なツールに対応します。送付とウェアで欧州最大手 独SAPの最新システムは大量のデータを高速で処理する技術が組み込まれています。「日々のデータをリアルタイムで分析し 需要の予測や在庫を適正化できる」(SAPジャパン)。米オラクルはクラウド上のデータべースを 人手を使わず自動で保守する機能を提供しています。

「守りのシステム投資」(経産省)に追われる日本企業は新ビジネスに乗り遅れます。しかも 大切に使い続けてきた古いシステムもいずれ使えなくなります。企業が生産や経費精算などの業務に使う基幹システムは 米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ」が普及した2000年前後に導入されたものが多いです。

経産省の分析では 2025年には6割の企業が導入から20年を超えたシステムを抱えます。前出のSEによると「古いシステムの管理は資料がないことも多い」。ベテランが退職すると トラブルへの対処すらできません。2025年にはSAPがかつて提供した主力製品で顧客サポートを終える予定です。日本では2000社以上が利用しており 更新か切り替えを迫られます。

多くが先送り

日本企業でも日本航空は17年に約50年使った基幹システムをハードとソフトの両面で刷新しました。AIを使い 過去の航空券の売れ行きなどを分析して需要を予測し 価格を決める仕組みを導入しています。
しかし 約7年の期間と800億円の費用をかける投資を日航が決断できたのは 経営再建がきっかけになったからです。

システム更新は費用が先行するため 多くの経営者は判断を先送りしがちです。ITコーディネータ協会は「増築を重ねて機能性が損なわれた旅館のようなシステムは捨てざるを得ない」と話します。経産省は19年度から、企業にシステム更新を指南する専門家を派遣します。成長に向け、IT投資のあり方を見直すべき時期にきています。
(出所:日本経済新聞)

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