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マーケット動向・最新の注目ニュース

バイオ新薬開発ラッシュ

2018.07.17
バイオ新薬開発ラッシュ
「核酸医薬」資金集まる 

米で成功 スタートアップに追い風

新しいバイオ医薬品の一種、核酸医薬を手がける創薬スタートアップが開発を加速させています。大型の核酸医薬が米国で登場し、その成功の連想もあり開発資金が集まりやすくなったことが背景にあります。長く注目を集めながら低迷していた核酸医薬が本格的に花開こうとしています。

       


「核酸医薬への注目はかつてないほど高まっている」とリボミック社は強調します。開発を進めてきた核酸医薬「RBM007」の初期の臨床試験(治験)を8月に米国で始めます。

007は加齢黄斑変性は網膜の黄斑という部分に異常な血管ができ出血を繰り返し、黄斑が変性して視力が失われます。

同疾患の薬の市場は約1兆円です。現在の薬はVEGFという体内物質の作用を邪魔して異常な血管の新生を防ぎます。007はFGFという物質に付着して作用を邪魔し、血管新生と黄斑変性の両方を防ぎ既存薬を上回る効果が期待されます。マウス試験で効果は確認済みです。

SBIバイオテックの米子会社も7月、最終段階の治験を米国で始めました。同社が手がける核酸医薬「QPI-1002」は急性腎不全の治療薬。急性腎不全は心臓手術後に腎臓が急に機能を失うもので手術を受けた患者の3〜4割が発症し、うち2〜5割が死亡します。対象は世界に数十万人いる計算です。

同疾患は手術後に腎臓に一気に血液が流れ込むストレスで、腎細胞のP53という遺伝子が働き細胞が自殺して発症します。1002はその遺伝子を切断し、働かないようにして腎細胞の自殺を防ぐ仕組みです。3年後の承認申請を視野に入れるSBIバイオテック社は(売上高1千億円超えの)「ブロックバスターになる」と期待します。

2002年に大学発創薬企業として国内で初めて上場したアンジェス社も動きます。今年2月に腰痛症に対する核酸医薬の初期治験を開始しました。椎間板で炎症を起こす物質がDNAから転写され出てこないよう、転写を邪魔する核酸医薬を投与します。「米国だけで少なくとも300億円の市場が狙える」と語ります。

核酸医薬の治験が相次ぐ背景には、米国での大型新薬の成功例があります。
16年に承認された米バイオジェン社の神経難病治験薬「スピンラザ」は17年に8.8億ドル(約980億円)を売上、20億ドル到達も近いとされます。

寝たきりの幼児が立てるようになるなど劇的な効果があり「核酸医薬はいまひとつという印象が吹き飛んだ」(リボミック社)。これを追い風に各社の資金調達環境も好転しました。

アンジェス社は17年に80億円、リボミック社は今年に20億円の増資に成功しました。SBIバイオテックの米子会社も米国での上場を準備します。米国では承認申請中の核酸医薬が複数あります。日米とも活況がしばらく続きそうです。



遺伝子に作用する「核酸医薬」
市場は急拡大


    

核酸医薬は、遺伝子の厚生成分であるDNAやRNA(リボ核酸)などで作られた医薬品の総称です。遺伝子をターゲットにできるなどの点で期待が高かったですが、体内で分解されやすいのが大きな弱点とされてきました。
1998年に初の核酸医薬が米国で登場したものの、その後は実用化ペースは遅く04年と13年に1つずつ。売り上げは数億円台に低迷しました。
しかし16年に「スピンラザ」と、米サレプタ・セラピューティクス社の「エクサンディス」が登場し状況は一変しました。英調査会社エバリュエートによると、17年の市場規模は10億ドル強と前年比87倍になりました。同社は24年に113億ドルに育つと予測します。
(出所:日本経済新聞)


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